ラーメン二郎 高田馬場店

2006年04月01日

【ラーメン二郎ガイド】

『二郎はラーメンではない。二郎という食べ物だ』という有名な言葉があります。ぼくがこの意味を理解したのは、3度目にラーメン二郎を食べた時でした。見た目はもちろんラーメンだし、メニューにも「ラーメン」とある。ていうか「ラーメン二郎」だし。。でも猛烈な二郎ファンからすれば他のラーメンと同じだと思えないし、思いたくもない。二郎に関する限り、ラーメンという言葉を使うことをためらう。そんな食べ物なのです。だからこのブログでも「ラーメンを食べた」とすべきところが「二郎を食べた」となっています。

≪どんな食べ物?≫
二郎を一言で説明すると「アブラっこくて量が多い、そして癖になる程うまい!」といったところでしょうか。

二郎のメニューの基本は「小ラーメン・ ぶた入り小ラーメン・ぶたダブル小ラーメン・大ラーメン・ぶた入り大ラーメン・ぶたダブル大ラーメン」くらいで、あとは支店によってつけ麺などがあったりします。ちなみに小ラーメンは普通のラーメンの大盛りくらいのイメージです。「麺少なめ・麺半分」も言えばやってもらえます。逆に「麺増し」っていうのもあります。これは大ラーメンよりも更に大盛りです。「大」は今では「だい」と言ってますが、元々「大もりラーメン」なので「おお」と言う人もいるようです。

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二郎を構成する要素は?麺 ?スープ ?野菜 ?ブタ ?ニンニクです。
?麺:二郎の麺は4〜5mmの平太ストレート麺です。粉は日清製粉の「オーション」、塩はたぶん入ってませんが、かん水は使っているようです。よく見かける「でんぷん」は打ち粉に使ってるんだと思います。その他の材料は不明。噂では醤油(カエシ?)を入れているとか、どんぐりの粉を使っているとか言われています。ぼくは自作で上記材料を使いますが、かなり違うものになってしまいます。まだ謎の材料があるようです。

?スープ:スープは「トンコツ醤油」と言えば語弊があるでしょうか。ゲンコツを使っているかは不明ですが、ブタの背ガラを寸胴に入れるところはよく目撃します。開店中に「豚肉・背脂・ネギ・ニンニク・背ガラ」を寸胴に追加することがあります。背ガラは出汁を採るのに時間が掛からないため、途中で追加しても出汁は採れます。ゲンコツは使っていたとしても追加するところは見れないかも知れません。醤油はカネシ商事というところの「ラーメン二郎専用醤油」いわゆる「カネシ」です。醤油には塩は入れてないようです。カエシはカネシとたぶん酒とみりんでしょうか。二郎のスープで重要なのは背アブラとニンニクだと思います。背アブラは煮るとすごく旨みが出ます。ただ煮過ぎるといろいろ問題が出てくるのですが・・この辺は二郎の謎です。他のトンコツ醤油のラーメン屋で、刻みニンニクを入れると二郎っぽくなったりします。たぶんニンニクも重要な要素だと思います。

?野菜:二郎で野菜といえば、モヤシとキャベツを茹でたものです。モヤシ:キャベツ=7:3位の割合です。キャベツは細長く切ってあります。三田本店では嬬恋高原キャベツのダンボールをよく見かけます。

?ブタ:普通で言うと「チャーシュー」ですが、二郎の場合は「ブタ」と言うに相応しいボリュームです。厚みは6〜7mmあるでしょうか。作り方は寸胴に入れて1時間ほどで引き上げて、カエシに漬けます。二郎のブタとほぼ同じものを作るのは難しくはありません。切れっ端は寸胴に投げ込まれます。

?ニンニク:ニンニクはトッピングで無料で追加できます。刻みニンニクですが、水に漬けるなどの下処理をした後フードプロセッサーで刻んだもののようです。

≪食べ方≫
ラーメン二郎の注文方法は独特です。初めての方は戸惑うかも知れません。ぼくは初めての人を毎回のように見かけますので、臆せずにぜひ一度食べてみて下さい。

?行列に並ぶ:いろんな説があるようですが、待ち時間=待ち人数×1.5分〜2分くらいで計算できると思います。これは1つの基準で、待ち時間はお店によって違うし、団体さんや初めての人が多いと少し時間が掛ったりします。『二郎は並べば並ぶほど美味い』と思って頑張って下さい。

?食券を買う:券売機の前にきたら食券を買います。券売機の前まで行かなくても2〜3人先に買う店舗もあります。この前後で「大きさ」を聞かれるからだと思います。食券を見せるだけだと楽ですからね。

?大きさを聞かれる:初心者にとって最初の難関かも知れません。券売機の前後で「大きさは?」「大?小?」「食券見せて下さ〜い」などと店員さんから声が掛ります。並んでる間に先に麺をゆで始めるため「小=普通」か「大=大盛り」かを聞いてきます。少なめにしたい人はこの時に「少なめで」「麺半分にして下さい」と言って下さい。

?着席:席が空いたらセルフで水を入れて着席。これもお店によって違います。三田本店は水を入れて出してくれます。カウンター上に置かれるので、すぐにテーブルに降ろして下さい。着席と同時にカウンターに食券を置きます。食券の縦横が麺のロットの目印になることが多いので、カウンターにぴったり付けて置かない方が無難。今回なのか次回なのか、店員さんが目印に食券を縦か横にするので、動かさないで下さい。

?店主の手元を睨む:トッピングの有無を判断する最も重要な場面。ここでぼーっとしていては行列に並んだ甲斐がありません。アブラやカラメの量、先にコールしたお客さんのトッピングの量、寸胴の中など見るべきところはいろいろあります。先に食べてるお客さんの丼もチラ見して、その日の状態を把握しましょう。

?「ニンニク入れますか?」:初心者にとってここが最大の難関。実はニンニクを入れるかどうかを聞いてるだけじゃありません。トッピングには次の4種類あります。

(1)野菜
(2)カラメ
(3)ニンニク
(4)アブラ

(1)野菜:ヤサイは上に書いたように、モヤシとキャベツです。先に少し乗せてからトッピングを聞くのが普通。ここで「ヤサイ少なめ」と言えばそのまま出てきます。ヤサイのコールがなくても、更に少しヤサイを乗せて出てきます。ヤサイコールしてないのに・・間違ってヤサイを盛られた訳じゃありません。先に少し乗せるのが「ヤサイ少なめ対策」だと思います。お店によって増されるヤサイの量が違いますので、前にヤサイコールした人の増え方を確認しておいた方がいいと思います。上級技として「ヤサイマシマシ」「ヤサイダブル」などがありますが、これは更に量が多くなります。支店によっては「ヤサイトリプル」「タワー」などが存在するようです。

(2)カラメ:カラメコールをすると、上で説明した「カエシ」を上からかけます。当日アブラが多そうな時に緊急避難的にカラメコールをして味を調えたりします。ぼくは一時期常にカラメコールしてました。カラメにしてもひどく味が変わる訳じゃないし、スープの状態を把握できていない時などに、とりあえずカラメにしとけば無難という場合もあります。ただデフォルトでカラメな支店もありますので、初めての時はよく調べて行った方がいいかも知れません。

(3)ニンニク:刻みニンニクが入ります。スープに溶かすと劇的に味が変わります。ぼくは必ずスープを一口飲んでから、ニンニクを溶かしてその部分のスープを飲みます。ニンニクが麺に絡まるようにして食べたり、ニンニクのある場所とない場所を作ってスープが混ざらないように食べたりします(^^;二郎のニンニクは翌日まで臭うのが普通です。ニンニク対策は必須ですが、あえて二郎にニンニクは欠かせない!と言いたいですね。いろんなニンニク対策を講じてみて下さい。

(4)アブラ:背アブラを追加します。元々背アブラはカエシを入れた後、丼に入れられています。二郎のスープは背アブラ入りスープなんですね。アブラコールをすると更に上から背アブラがかかります。支店によってこのアブラの種類や量がかなり違うようです。基本はブタの背アブラなので同じですが、ブタの切れっ端のアブラ部分は寸胴に入っているし、その他のスープの材料が混入している可能性もあります。背アブラだけ別鍋で煮ている支店もありますが、その時のアブラと他店のアブラは同じではありません。背アブラは取り扱いが難しいと思うのですが、二郎は丸ごと寸胴に入れています。本店は事前に溶かしたものを寸胴に入れます。

以上がトッピングですが、基本は(1)〜(4)をこの順で言うことになっていたと思います。支店に貼ってある貼り紙などを見ると、この順番でないことが多いので、今ではコールの順番はどうでもよくなっているようです。

例:店員「ニンニク入れますか?」→客「カラメ・ニンニク」
  店員「はい!小ブタ!」      →客「ヤサイ・カラメ・アブラ」
  店員「トッピングは?」     →客「ヤサイ・カラカラ・ニンニクW」

  店員「ニンニク入れますか?」→客「入れないでいいです」
  店員「ニンニク入れますか?」→客「そのままで」
  店員「ニンニク入れますか?」→客「ニンニク」

トッピングはこの4種類だけではありません。支店によっては唐辛子とか、有料でカツオ節とかいろいろあるようですので、券売機や店内の貼り紙で確認して下さい。

ぼくは初めて行く支店や久し振りの店の時には「ニンニクコール」のみにします。アブラが多そうな時だけ「カラメ」も追加してます。初めての方はニンニクだけにしとくのが無難かも知れません。聞かれたら「はい」とか「入れて下さい」と言うだけで済みます。1回デフォルトで食べてみて、その味を元に2回目の時にコールをしてみるというのが初心者にはお勧めです。

また、ニンニクとカラメは手元にあるので店主が楽にできますが、アブラは寸胴まで行くか助手の手を煩わすことになります。ヤサイは流れで少し乗せる手順になってるので頼みやすいですね。その辺の事情や助手の経験などを考慮すると、ちょっとコールが変わってくる場合がたまにあります。「ヤサイトリプル」とか「カラカラ・ニンニクW」とか言っても明らかにスルーされてるのもたまに見ます。元が味にブレがあるので客が調整しなきゃいけない(^^;それだけのことです。支店によってアブラが多めの店とか、カラメの店とかありますので、自分の好みでコールして下さい。

?二郎登場:二郎がカウンター上に置かれます。ここからはひたすら食べるのみです。お店によってレンゲがあったりなかったりします。ぼくは二郎とレンゲはあまり合わない気がするので、レンゲがあってもほとんど使いません。丼を両手で持って口を付けてスープを飲んだ方が美味しく感じます。

?食後:食べた後にもやることがあるので、気を抜かないでください。まず丼とコップをカウンター上段に上げます。それから布巾でカウンター上を拭いて、最後に「ごちそうさま」を言って出て下さい。これはみなさんやっていることで、古き良き二郎の伝統だと思って下さい。トッピングもそうですが、三田のおやじさんと学生さんたちとの間で出来上がってきた暗黙のルールです。現在も二郎は常連さんたちの世界です。そこに新たに加わる訳ですから、これまで築かれてきたルールには従ったほうが無難です。

【参考】
ラーメン二郎にてインタビュー
ラーメンは人なり
ラーメン二郎三田本店命
ラーメン二郎 PC店
ラーメン二郎

≪最後に≫
ガイドは以上ですが、これからもメンテを行っていくつもりですので、間違っているところなどがありましたら、ぜひ教えて下さい。常連さんたちの「こういうのもあるよ」という情報もお待ちしています。また初心者の方からの質問等も盛り込んで改訂しますので、何かありましたら質問して下さい。
※この記事に対するコメントは質問等のみにして下さい。更新履歴になりますので予告なく削除・修正等を行います。ご了承下さい。



iwa555 at 00:00│Comments(6)

この記事へのコメント

1. Posted by NOB   2006年07月09日 21:08
絶句!
凄い凄い!
ここまでやるというその心意気というか凝り性というか・・・最高です! 最高!
2. Posted by バンビとヒメの姐   2006年07月12日 14:03
これは親切!
二郎の作法がわからないと、あそこはなかなか入りづらいです。
第2回目のチャレンジ、また来月してきます☆神保町が女性にもオススメなんでしたっけ?
3. Posted by くに   2006年07月12日 17:46
>バンビとヒメの姐さん
神田神保町店は女性にオススメですよ。女の人多いし助手の人が「女性の方〜!小でも結構量ありますけど、少なめにしますか〜?」とか言ってくれるので、ありがたいお店です。味もたぶん一番美味しいので、女性に限らず初めての人にオススメです☆ただ1時間弱並ぶことがあるので要注意ですよ。。
4. Posted by hagix   2007年12月08日 11:26
面白いですねえ。
ラーメン二郎、一度食べに行ってみたいのですが、
近くにないのでまだいけてません。。。
おいしそうですね。
5. Posted by カブレラ   2010年05月08日 14:41
小学校2年生の息子と一緒に、目黒か神田神保町か富士丸板橋に食べに行きたいという夢を持っているのですが、いままでそんな小さい子が食べているのを見られたことはありますか?
きっと子供は食べきれないから、「麺少な目」を2つ頼んで、子供が残した分を自分が食べようかなと考えたりしているのですが、お店や他のお客さんにヒンシュク買うのも嫌なので躊躇しています。
ご意見いただければ幸いです。
6. Posted by くに   2010年05月11日 14:58
◆カブレラさん
コメントありがとうございます。小学生も見たことありますよ。僕も女性や小食な人と行く時は、麺少な目を2つ頼んで相手が残した分を自分が食べています。富士丸神谷本店はテーブル席があるので、そのような光景を見掛けることがあります。富士丸西新井も家族連れ多いですね。神保町では「麺半分」ができますので、これを2つ頼むのもオススメです。

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